オススメの飲み方
お燗のススメ、第2弾。今回は「割水燗」です。以前弊社のスタッフがお客さまと割水燗をした時にとてもご好評頂いたそうで、是非より多くの方に知って頂きたいと思いご紹介させて頂きたいと思います。
「割水燗」とは、水でお酒を割って、お燗することです。
原酒以外のお酒はもともと、原酒に水を加える「加水」という行程を経て、アルコール度数を調整しています。弊社の場合は、商品によって17度~20度くらいの原酒に仕込み水と同じ清水を加え、目指す酒質によって13~16度程度に調整しています。同じ原酒を元にしていても、わずかな度数の違いで味わいや香りの立ち方、印象は異なって感じるものです。この変化を是非ご自宅でお試し下さい、というのが「割水燗」です。
まず、おちょこやコップに適量のお酒を入れ、そこへ“少しずつ”お水を加えてみて下さい。器が小さい場合、少量で結構変化が感じられますので数滴ほどずつ加える気持ちで“少しずつ”がポイントです。
徳利に割水しておいたお酒を入れ湯煎でお燗します。お酒と水をなじませるため、割水した直後よりも少ししてからお燗した方が良いです。(お燗の仕方は別の投稿「お燗について」をご参考にして下さい)
お燗したお酒は、冷えた状態よりもアルコールを強く感じることがあると思うのですが、「割水燗」にしますと、ふんわりとやさしく暖かく・・・、より自分のお好みにあった味わいを追求することが出来ます。水の量は、お酒の種類によっても異なりますので、決まりはございません。私たちは、だいたい徳利1本に対し、水おちょこ半分~1杯くらいを足す感じで試しています。原酒や味わいのしっかりしている純米酒などでお試しになるのがおススメです。ただ、あくまで参考ですので、いろいろと試してお好みの味を探してみて下さい。
実際の酒造りとてらしてみると、自宅での割水は、「加水」の行程、お燗は「火入れ」の行程と似ております。なお、加える水本来の味によって味わいが左右されますので、水道水よりは国内の天然水など硬度の低い水がおススメです。加えすぎると水っぽく感じてしまうこともありますので、しつこいようですが〝少しずつ“がポイントです! ちなみに、お燗することで風味が増し美味しくなるお酒を「燗あがりする」と言います。「このお酒、燗あがりするね」などと言いながら、是非一度お試しください。