麹づくりとは

最近の醗酵ブームで「麹」が身近な方も多いかもしれませんが
今回は当蔵の麹造りについて少しお伝えしたいと思います。

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麹造りは製麹(せいきく)とも呼ばれます。

麹とは大豆や米、麦などに麹菌が繁殖したものの総称です。
日本酒造りで用いるのは、このうち「米麹」です。
そして麹造りを担当する蔵人のことを
当蔵では「麹屋」(こうじや)さんと呼んでおります。

種付け。種麹を蒸し米にふる。

まず蒸し米に麹菌をふります。「種切り」と呼びます。
この初めにふる麹菌のことを「種麹」(たねこうじ)と呼び、
種麹造りを専門とされている種麹屋さんから仕入れます。

種麹屋さんはもやし屋さんとも呼ばれるのですが
なぜ「もやし」なのでしょうか??

お世話になっている種麹屋さんによりますと
「もやし」とは「萌える」、つまり「芽が出る」の意味があり、
菌が芽吹く姿から「もやす」→「もやし」になったという説があるそうです。
確かに、蒸し米に菌糸が伸びて菌が育つ様子は植物の芽吹きのように思えます。

繊細な麹菌を扱うため、麹造りは手指の消毒から始まります。
余計な菌を持ち込まないよう、麹室に入る前に蔵人はみな消毒液に手を浸してから入ります。

蔵人は走って蒸し米を麹室へ運ぶ

蔵人は走って蒸し米を麹室に運びます。
外気も蔵も寒いため、蒸し米の温度を下げないためです。

蒸し米の引き込み。麹室へ蒸し米を引き込む。

麹室へ蒸し米を引き込みます(「引き込み」)。

床くずし。床もみ

蒸し米を麹室に引き込んだ直後
蔵人が手で蒸し米をほぐし品温を調整します(「床くずし」「床もみ」)。
麹菌を全体に行き渡らせます。

温度計で蒸し米の品温を確認

温度計で品温を確認。
麹造りの各段階で目指す温度があり、小まめに確認します。

麹室で麹に手を入れる蔵人。切り返し。

麹菌が蒸し米に破精やすい=育ちやすいよう
2日間にわたり、手入れ、温度管理を行います。
ほぐしたり、温度のムラを無くしたりします(「切り返し」)。
育つ途中の麹の状況や温度上昇の様子を見ながら、手入れを行います。

完成した麹

引き込んでから3日目の朝。完成した麹です。
蒸し米の時とは異なり、ほろほろとした手触りの麹になっています。
栗のような香りがし、食べるとほのかな甘みを感じます。

出麹

麹が完成し、麹室から出されます(「出麹(でこうじ)」)。
仕込みで使用するまで麹を冷やして保管します。
この期間を「枯らし」と呼んでいます。

ちなみに種麹には特性に応じていくつかの種類があります。
当蔵の目指す酒造りに適したものを選んで使用しておりますが、
育ち方に個性があるため、麹造り担当の蔵人=麹屋さんは
その個性に応じて手入れや温度管理を調整します。

先日、麹屋さんたちに話を聞いた際には
「この子は元気で温度が上がりやすいから…」などと我が子のように話していました

また麹造りでは、原料米を洗う段階から
「どのくらい水を吸わせて蒸すか」を計算して行っています。
麹造りに適した吸水が大切なためです。

季節によって外気温はもちろん水温も変化するため、
そういった変数を考慮しながら原料米処理に気を使います。

次の機会にはそのような原料米処理のうち、
「洗米」「浸漬」「吸水」などについてお伝えしたいと思っております。

(Instagram 2022/11/14投稿「麹づくりとは?」より)

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