酒づくり・日本酒用語

限定吸水とは


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限定吸水 米を洗う

日本酒造りには多くの工程がありますが、それぞれに大切な役割があります。

今回は「限定吸水」についてお伝えしたいと思います。

純米吟醸、純米大吟醸、吟醸、大吟醸など高精白のお酒の原料米は
「限定吸水」といって少量ずつ小分けで洗米を行い、
狙った水分量に吸水させてから酒造りに使用します。

より良い醸造に繋げるためには
それぞれ麹造りや仕込みに適した蒸かし上がりが大切で、
そのためには吸水歩合がポイントとなるためです。

限定吸水 洗う米を投入する

具体的には洗米時間と浸漬時間を秒単位で調整し、
最終的にお米が吸う水の量がベストになるようにします。

限定吸水 時間を細かく測りながら行う

季節によって外気温はもちろん水温も変化するため、
限定吸水はそれらの変数を考慮しながら行います。

時間と手間はかかりますが、とても大切な工程です。

限定吸水 

高精白のお酒の仕込みが続く2期目は特に限定吸水が多くなります。
蔵人達は交代制で、午前から午後にかけて寒いなか
半日近く限定吸水を行う日も続きました。

外気温も水温も冷たいなかでしたが、「良い酒を」との想いとチームワークで
連日の限定吸水を乗り越えて来たのではと、そばで見ていて感じました。

ちなみに3月に入り暖かい日が増えてきますと
今度は寒い時期とは異なる環境下で、
やはり外気温や水温を考慮しながら限定吸水を行います。

限定吸水 浸漬

写真を撮影した年の限定吸水は3月中旬頃終了致しました。
高精白のお酒である純米吟醸、純米大吟醸、
吟醸、大吟醸などの仕込みがひと区切りを迎えたためです。

限定吸水 

美味しいお酒となるための大切な工程のうちの1つ、
「洗米」「浸漬」「限定吸水」のお話でした。

(Instagram 2023/3/22投稿「限定吸水とは」より)

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SAKE movie


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麹づくりとは


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最近の醗酵ブームで「麹」が身近な方も多いかもしれませんが
今回は当蔵の麹造りについて少しお伝えしたいと思います。

・・・

麹造りは製麹(せいきく)とも呼ばれます。

麹とは大豆や米、麦などに麹菌が繁殖したものの総称です。
日本酒造りで用いるのは、このうち「米麹」です。
そして麹造りを担当する蔵人のことを
当蔵では「麹屋」(こうじや)さんと呼んでおります。

種付け。種麹を蒸し米にふる。

まず蒸し米に麹菌をふります。「種切り」と呼びます。
この初めにふる麹菌のことを「種麹」(たねこうじ)と呼び、
種麹造りを専門とされている種麹屋さんから仕入れます。

種麹屋さんはもやし屋さんとも呼ばれるのですが
なぜ「もやし」なのでしょうか??

お世話になっている種麹屋さんによりますと
「もやし」とは「萌える」、つまり「芽が出る」の意味があり、
菌が芽吹く姿から「もやす」→「もやし」になったという説があるそうです。
確かに、蒸し米に菌糸が伸びて菌が育つ様子は植物の芽吹きのように思えます。

繊細な麹菌を扱うため、麹造りは手指の消毒から始まります。
余計な菌を持ち込まないよう、麹室に入る前に蔵人はみな消毒液に手を浸してから入ります。

蔵人は走って蒸し米を麹室へ運ぶ

蔵人は走って蒸し米を麹室に運びます。
外気も蔵も寒いため、蒸し米の温度を下げないためです。

蒸し米の引き込み。麹室へ蒸し米を引き込む。

麹室へ蒸し米を引き込みます(「引き込み」)。

床くずし。床もみ

蒸し米を麹室に引き込んだ直後
蔵人が手で蒸し米をほぐし品温を調整します(「床くずし」「床もみ」)。
麹菌を全体に行き渡らせます。

温度計で蒸し米の品温を確認

温度計で品温を確認。
麹造りの各段階で目指す温度があり、小まめに確認します。

麹室で麹に手を入れる蔵人。切り返し。

麹菌が蒸し米に破精やすい=育ちやすいよう
2日間にわたり、手入れ、温度管理を行います。
ほぐしたり、温度のムラを無くしたりします(「切り返し」)。
育つ途中の麹の状況や温度上昇の様子を見ながら、手入れを行います。

完成した麹

引き込んでから3日目の朝。完成した麹です。
蒸し米の時とは異なり、ほろほろとした手触りの麹になっています。
栗のような香りがし、食べるとほのかな甘みを感じます。

出麹

麹が完成し、麹室から出されます(「出麹(でこうじ)」)。
仕込みで使用するまで麹を冷やして保管します。
この期間を「枯らし」と呼んでいます。

ちなみに種麹には特性に応じていくつかの種類があります。
当蔵の目指す酒造りに適したものを選んで使用しておりますが、
育ち方に個性があるため、麹造り担当の蔵人=麹屋さんは
その個性に応じて手入れや温度管理を調整します。

先日、麹屋さんたちに話を聞いた際には
「この子は元気で温度が上がりやすいから…」などと我が子のように話していました

また麹造りでは、原料米を洗う段階から
「どのくらい水を吸わせて蒸すか」を計算して行っています。
麹造りに適した吸水が大切なためです。

季節によって外気温はもちろん水温も変化するため、
そういった変数を考慮しながら原料米処理に気を使います。

次の機会にはそのような原料米処理のうち、
「洗米」「浸漬」「吸水」などについてお伝えしたいと思っております。

(Instagram 2022/11/14投稿「麹づくりとは?」より)

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日本酒の微発泡はなぜ生まれるの?


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日本酒の微発泡はなぜ生まれるの?

冬期はZEロ万、一ロ万、花泉活性純米にごり酒、かすみロ万と
花泉酒造のなかでも、開栓後かすかに「しゅしゅわ感」が感じられるお酒、
蔵ではよく「ガス感を感じる」と表現したりするのですが
そのようなお酒のお届けが続きます。

開栓時にぽん!とガスが抜ける感じがあったり、
飲んでいて、「あれ、しゅわしゅわ感があるな・・・」と
感じられたことのある方も多いのではないのでしょうか?

ところで、このしゅわしゅわ感の正体とは??
日本酒の微発泡は、なぜ生まれるのか???

結論からお伝えすると
これは“醗酵”がなせる自然の微発泡です。
炭酸ガスを後から加えているわけではありません!

日本酒は、蒸米、麹、仕込み水を混ぜ合わせた「もろみ」のなかで
「酵母」という微生物が活動することで醗酵が進み、
しだいにアルコールが生まれ、お酒になっていきます。

酵母は、微生物。つまり、小さな小さな生き物です。

とても単純化すると、酵母は、もろみ中に含まれる「糖」
(麹由来の糖や、麹の糖化酵素により米のデンプンが糖になったもの)
をエサに、アルコールを生み出します。

このときアルコールだけでなく、二酸化炭素も一緒に生み出されています。

過去のもろみのMovieなどで、
タンクの表面にふつふつと丸い泡があるのを
ご覧になったことのある方もいらっしゃるかと存じます。
あれが「醗酵中に生じる二酸化炭素」です。

もろみをしぼった後も、清酒中に二酸化炭素が溶け込むと、
それが主に日本酒のしゅわしゅわ感の正体となります。
火入れを行わない生酒の場合、しぼった生の状態で瓶詰めを行いますので
この清酒に溶け込んだしゅわしゅわ感が失われることなく、
瓶のなかに残ります。

また特に「花泉活性純米にごり酒」の場合は
“活性”と名が付いているように、たっぷりした“おり”
(とろみのあるにごっている部分)の中に、酵母が生きております。
彼らはわずかながら瓶のなかでも糖を食べ、活動し、
二酸化炭素=しゅわしゅわ感を生み出しています。

酵母が“活性”しているお酒は、栓が飛びやすかったりもしますので、
必ず低温で管理を。開栓時にも気を付けて楽しんで下さいね。

以上、日本酒のしゅわしゅわ感の秘密でした!

(Instagram 2021/2/22投稿「日本酒の微発泡はなぜ生まれるの?」より)

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呑み切り


酒づくり・日本酒用語

呑み切りとは貯蔵タンクの呑み口を開けて(呑みを切って)タンクの中の酒の品質検査を行うことです。
花泉では冷房設備の整った貯蔵室と氷点下で管理できる特殊なタンクや冷蔵庫を併用して品質管理を行っております。
「呑み切り」では市場に出る前の貯蔵中のお酒について、酒質の変化、熟成の進み具合などをきき酒によりチェックします。

facebook「呑み切りが行われました」より)

火入れ


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しぼったお酒を約63℃前後まで加熱し、その後急冷します。
殺菌を行うと同時に、清酒中に残っている酵素の働きを止めることが目的です。
酵素の働きが止まることで、生酒の場合に比べ
その後の味わいの変化が抑えられ、酒質が安定するとされています。
また一般的には、新酒独特の荒々しさが火入れにより和らぎ落ち着きが出ると言われております。

使用酵母や酒米の種類などにもよりますが、火入れを行うことで、甘みが増して感じられたり、
香りが穏やかになったり、酒質がまろやかになったりと
弊社では目指す酒質に応じて、火入れの有無を使い分けております。
火入れを行わないお酒が“生酒”、一度行うお酒が“一回火入れ”、二度行うお酒が“二回火入れ”です。

facebook「29BY だぢゅ―ロ万 純米吟醸 二回火入れ」より)

お燗の呼び名


酒づくり・日本酒用語

お燗には温度帯によって呼び名があります。知っておくと、お燗がより楽しくなるかもしれません。
●約30度・・・日向燗
●約35度・・・人肌燗
●約40度・・・ぬる燗
●約45度・・・上燗
●約50度・・・熱燗
●55度以上・・・飛び切り燗
わずかな温度の違いにも名前を付けるところに、日本人とお酒との深い繋がり、昔からの豊かな文化を感じます。

もち米四段仕込みとは


酒づくり・日本酒用語

花泉酒造の特徴である「もち米四段仕込み」。
花泉酒造では、全銘柄で「もち米四段仕込み」を行っております。
日本酒は通常、水、麹、米を3回に分けて仕込む「三段仕込み」で造られますが、
その後さらにひと手間加え、蒸したもち米を仕込む方法が「もち米四段仕込み」です。
詳しくはこちらのページをご覧下さい。
手作りの業>伝統の「もち米四段仕込み」

自家精米


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弊社では、酒造りに使用するお米はすべて玄米で仕入れ、自社にある精米機を用い、自分たちで精米しております。玄米の状態から米の状態を良く知ることが出来、微調整も可能となるため、より良い仕込みに繋がります。また、精米で出る糠は、地元特産の南郷トマトや酒米の肥料などとして再利用して頂いております。


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