
先日ご紹介したお酒『花泉 吟醸酒』に関連して
「吟醸酒」と「純米吟醸酒」の違いについて、ご紹介したいと存じます。
少し長くはなりますが、お時間のある時などにお読み頂ければ幸いです。
実はこの「吟醸酒」や「純米吟醸酒」は
【特定名称】と呼ばれる日本酒の分類のひとつです。
特定名称とは、一定の条件を満たして醸造された日本酒だけが
名乗ることのできる名称で、
原料や製造方法、精米歩合などの違いによって
「吟醸酒」や「純米吟醸酒」のほかにも
「純米酒」「本醸造酒」「大吟醸酒」など
全部で8種類ございます。
日本酒のラベルに「吟醸酒」「純米酒」などの言葉がある場合、
それは特定名称酒ということになります。
特定名称酒以外のお酒はすべて「普通酒」となりますが、
花泉酒造の場合は、特定名称酒のみを醸造しております。
その上で「吟醸酒」と「純米吟醸酒」の違いを簡単にお伝えしますとポイントは3つ✨
🌾①「吟醸造り」
🌾②「精米歩合が60%以下」
ここまでは共通点です。
🌾③「原料」に違いがあります
それぞれ詳しく見ていきますと・・・
🌾①「吟醸造り」
吟醸造りとは、吟味して醸造することをいい、
伝統的に、よりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、
粕の割合を高くして、特有な芳香(吟香)を有するように醸造することをいいます。
🌾②「精米歩合が60%以下」
吟醸造りで醸造され、かつ、使用されるお米の精米歩合が60%以下の場合に
「吟醸」を名乗ることが出来ます。
精米歩合60%とは、玄米の外側を40%削り取って、
残された内側の60%の部分だけを酒造りに使用しているということです。
削り取られた部分=米ぬかは、酒造りには不要ですが、
弊社では酒米や南郷トマトの肥料、地ビールの原料などとして再利用して頂いております。
なお、精米歩合50%以下の場合は「大吟醸」を名乗ることが出来ます。
🌾③原料に違い
「純米酒」と名乗ることが出来るのは、仕込み水以外に
「米・米麹のみを原料として醸造されたお酒」です。
“純”粋に、お“米”から出来ているお酒、と漢字からも読めますね。
お米の旨みがしっかりと感じられるのが特徴です。
※例:ロ万シリーズ全て、花泉シリーズ「純米酒」など
一方、「純米」と表記のない「吟醸酒」「大吟醸酒」の場合は、
適量の醸造アルコールが含まれております(白米の重量の10%以下)。
その目的や加える量は、蔵や目指す酒質によっても異なりますが
一般的には、醸造アルコールを加えることにより、
味わいにキレやすっきり感が生まれるのが特徴です。
※例:「花泉 吟醸酒」「花泉 大吟醸酒」など



・・・
いかがでしたでしょうか?
つまりこうした名称は「どのお酒がより優れているか?」という
お酒の優劣を表現した言葉ではなく、
原料や醸造の違いを分類している言葉です。
ですから、皆様が好きな味わいを見付けるための
様々な手がかりのうちの1つとして参考にしてみてください。
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参考URL
・国税庁ウェブサイト 「清酒の製法品質表示基準」の概要
・日本酒造組合中央会ウェブサイト 日本酒の分類
※3枚目4枚目の画像も中央会様よりご提供いただきました。